鳥害対策 ムクドリ(椋鳥)
◎ムクドリの生態
日本国内では北海道から沖縄まで見られ、特に平地や都市部でよく観察されます。外見は全長約24cm程度で、体は灰褐色、顔や喉が白く、嘴と足は黄色です。雄と雌で見た目の差はほとんどありません。ムクドリは適応力の高い鳥で、街路樹や公園、建物の隙間などを生息地としています。雑食性であるため、昆虫や果実、穀物、さらには人間の残飯まで幅広く食べ、季節や環境に応じて食べ物を変える柔軟性を持っています。農耕地周辺では害虫を捕食し、都市部ではごみ収集エリアなどで食料を探す姿が見られるため、人間の生活圏と密接に関わる存在です。
◎ムクドリの都市部における問題
ムクドリは都市化の進行に伴いその分布を広げ人間社会と共存していますが、非繁殖期になると夕方数百から数千羽の大群を作り、街路樹や電線に集まって夜を過ごす「集団ねぐら行動」をとるあり、騒音や糞害といった自治体や住民にとって問題を引き起こしています。また、街中での生息環境が限られる中、建物の隙間や人工構造物にも巣を作るため、建物管理への影響が指摘されています。
◎ムクドリと都市部での共生について
ムクドリは害虫駆除や自然観察の対象としての価値も持つ反面、都市化の進行に伴いその存在の一部が「害鳥」とみなされることがあります。都市部でのムクドリとの共生には、繁殖期前に巣作りを阻止するための巣穴の封鎖や人工巣の活用も効果的です。さらに、超音波装置や光を用いた追い払いで、ムクドリの集中を防ぎます。ねぐらの適切な管理や生息地の分散を図ることで、人間社会の調和を考慮した保護と管理が求められています。