ワイヤークランプ工法

主にH鋼などの鉄骨がある構造物において、
専用金具『 ワイヤークランプ 』を用いてワイヤーロープを設置し、
そこにネットを強固に縫い込む工法です。
コンクリートや鉄骨自体に穴を開けてアンカーを打設する必要がないため、
建物の強度を損なうことなくネットを設置することができます。
クランプの設置で複数方向にワイヤーを引くことができ、非常に便利です。

なぜアンカーレスが選ばれるのか?

  • 建物の資産価値を守る
     賃貸物件や工場、商業施設などで、原状回復が必要な場合や建物を傷つけたくない場合に最適です。
  • ・雨漏り・結露リスクの回避
      外壁や屋根周りに穴を開けると雨漏りのリスクが生じますが、ワイヤークランプ工法ならその心配がありません。
  • アスベスト対策
      古い建物でコンクリートや壁に穴を開ける際のアスベスト飛散リスクを回避できます。

 ワイヤークランプ工法の4つのメリット

メリット①:躯体に穴を開けない(アンカーレス)
 コンクリートや鉄骨のフランジにクランプを挟み込んでボルトで締め付けるだけで固定するため、躯体を傷つけません。

メリット②:たるみのない美しい仕上がり
 ワイヤーを四方にピンと張り巡らせ、そこにネットを1目ずつ丁寧に縫い込んでいくため、ネットの「たるみ」や「ズレ」を抑え、
 すっきりとした美観を長期間キープできます。

メリット③:レイアウトの自由度が高い
 クランプを設置することで、縦・横・斜めなど、複数方向にワイヤーを引くことができます。
 障害物の多い複雑な天井や梁の下でも、きれいにネットを張ることが可能です。

メリット④:施工・撤去が比較的容易
 ボルトの締め付けによって固定するため、施工速度が速く、仮設ネットの設置や将来的な移設・撤去もスムーズに行えます。

ワイヤークランプ工法の作業手順(5ステップ)

ワイヤークランプを設置

ネットの四隅となる箇所から位置決めをし、H鋼などのフランジにワイヤークランプを設置します
インパクトドライバー(六角ビット)で締め付けてください

プロのコツ: 取付スパン(金具間の距離)が広い場合は、ワイヤーの中間部の垂れ下がりを防止するために、中間部分にもクランプ(振れ止め)を設置します。

STEP
1

ワイヤーロープを設置

必要な長さにカットしたワイヤーロープを、ワイヤークランプの「わ」に通します。
 ワイヤーの端部は「ワイヤークリップ」を複数個使用してループ状に固定(アイ加工)します。

STEP
2

ワイヤーにテンションをかける

反対側のワイヤーロープも同様にワイヤークリップをセットし、
シメラー(緊張機)呼ばれる専用の工具を取り付けます。
シメラーを使ってワイヤーに強力なテンションをかけ、ピンと張らせます。

注意点:クランプ自体が変形したり、締め付け位置からズレたりしないよう、
クランプの強度を確認しながら慎重にテンションを調整します。

STEP
3

ネットの縫込み

四方にワイヤーロープの強固な枠が完成したら、ネットを広げて配置します。
PE(ポリエチレン)ロープを使用し、ネットのフチと周囲のワイヤーロープを
しっかりと縫い込んで(結束して)いきます。

STEP
4

完成

全体のバランス、ネットの張り具合、たるみがないかを確認して完成です。

STEP
5

使用部材

ワイヤークランプ

材質ステンレス
仕様・K-1
・K-2
用途アンカーが打てない箇所に
ワイヤーを設置する

ワイヤーロープ

材質・スチール(アウトメッキ)
・ステンレス
仕様4mm 径/6mm 径
用途ワイヤークランプに通し、
ネットを固定する枠となるように設置する

ワイヤークリップ

材質・マリヤブル
・ステンレス
仕様使用ワイヤー径
4mm/6mm
用途ワイヤーロープを結束固定する
(端部アイ加工)

PE ロープ

材質ポリエチレン
仕様4mm径
用途ネットを周囲ワイヤーに縫い込む
際に使用する
色/グリーン・シルバー・ブラック 他

よくある質問

どのくらいの厚みの鉄骨(H鋼)に取り付けられますか?

標準的なワイヤークランプ(K-1・K-2など)は、つかみ厚(掴み幅)が3mm〜35mmに対応しています。一般的な建築物や工場のH鋼フランジであれば、ほとんどの場所で設置可能です。

アンカー工法と比べて強度は落ちませんか?

適切にボルトを締め付け、テンション管理を行えば、アンカー工法と同等の非常に高い固定強度を発揮します。
ただし、クランプを挟み込むフランジの錆びや劣化がある場合は強度が低下するため、事前確認が必要です。

DIYでの施工は可能ですか?

安全性を確保するため、専門業者へのご依頼を強く推奨します。ワイヤーの緊張作業(シメラーの使用)は高荷重がかかるため、クランプのズレやワイヤーの破断などの危険が伴います。また、多くが高所作業となるため、安全帯や足場の適切な設置が必要です。